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著者: ソース: 更新:2019-04-28
イ族民謡の曲調は「羊飼い調」、「叫び調」、「叙事調」、「刺繍調」、「庫吼調」、「改迷」、「田起こし調」、「罵り調」などがある。
「羊飼い調」は羊飼いの曲調であり、羊飼いは羊を放牧する時、よく高らかに響き渡る民謡で感情を表す。
「叫び調」は山で放牧や農作業をするサニ人が、ある山から別の山に向かって歌う時に発する曲調である。
「叙事調」は主に「阿詩瑪」、「圭山の虹」、「嫁入り歌」などの民間長編叙事詩や民謡の組曲を歌うのに用いられる。
「刺繍調」は女性たちが刺繍する時に即興的に歌う民謡である。音頭を取る娘が最初のフレーズを歌ってからみんなが呼応するのが一般的である。彼女たちは刺繍しながら歌い、歌声が綺麗なだけでなく、刺繍の動作も音楽に合わせて調和が取れており、まるで整然と纏まっている踊りの振りのようである。
「庫吼調」は、歌う人の心境を訴える山歌であり、女性たちが即興的に歌うことが多い。「庫吼調」は曲調が高揚で、高い山に立って歌うと、風に乗って遠くまで伝わることができる。
「田起こし調」はサニ農民が働く時に歌う民謡であり、結婚式でもデュエットで歌われる。「田起こし調」は内容が豊富で、即興的に作られる詠物の歌もあれば、長編の叙事歌もあり、歌手たちは月が山に登る時から翌日の夜明けまで歌える。
「罵り調」はサニの青年男女が結婚請負に反抗する時に歌う音調である。
これらの曲以外にも、様々な感情を表現する「喜調」、「悲調」、異なる楽器を使う「三味線調」、「月琴調」、「口弦調」、宗教の儀式で畢摩(司祭)がよく歌う「祭神調」、「誦経調」、「招魂調」などがある。
サニ民謡の曲調の構成は、2フレーズまたは1フレーズを基調とし、変化または繰り返しをするのが多い。また、「セロセ」や「エロエ」などの掛け声がよく使われる。「セロセ」や「エロエ」は古代サニ人が放牧した場所と伝えられている。サニ曲調の歌詞は少数しか決まっていない。同じ曲調に様々な歌詞を埋めるのがほとんどである。様々な場面によって即興的に歌われることが多い。