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著者: ソース: 更新:2019-04-26
「カルスト」はドイツ語の「karst」の音訳である。カルストは旧ユーゴスラビアの北西部にある石灰岩高原の名称である。19世紀末、ユーゴスラビアの学者ヨヴァン・ツ.ヴィイッチ(J.Cvijic)は、そこにある奇怪な形をしている石灰岩地形について研究し、その代表作『カルスト現象』で、「カルスト」と命名した。その後、カルストという言葉は地学専門用語になり、炭酸塩岩における各種の溶食作用と溶食現象を指している。
中国は世界で炭酸塩岩の分布面積が最も広く、カルスト地形が最も発達している国の一つである。露出したカルストの面積は125平方キロメートルに達し、国土面積の13%を占めている。特に中国の南部地方では、貴州を中心に、雲南東部、広西北部、四川南部、湖南西部など広域露出カルスト地形の面積は64万平方キロメートルに達し、世界で単独面積が最も広く、大陸熱帯―亜熱帯カルスト地形特徴が最も典型的な地域とされている。
中国南部地方のカルスト地域は、古生代(5億年前)以来、複雑な地質変化により、多種多様なカルスト地形が発達している。世界で最も代表的な三種類のカルスト地形、つまり広西の峰林カルスト(塔状カルスト)、雲南の石林カルスト(剣状カルスト)、貴州の峰叢カルスト(錐状カルスト)が含まれている。そのほか、この地域には巨大な天坑や地の割れ目のような珍しいカルスト現象が見られる。地下には数多くの大規模な溶洞体系と豊富な洞窟堆積がある。したがって、中国南部地方のカルスト地域は「大陸熱帯―亜熱帯カルストの教科書」と呼ばれ、地球の重要かつ代表的な地形形態と自然地理的特徴の現れてある。
中国南部地方のカルスト地形には典型的な大陸亜熱帯カルスト植生類型と生態系を保存・展示している。代表的なカルスト常緑広葉樹林、針広混交林、常緑針葉樹林などは「最後のカルスト森林」とされている同時に、現在進行中の重要なカルスト生態過程も反映している。
中国南部地方のカルスト地形は生物多様性が著しく、動植物の種類が豊富で、様々な絶滅危惧種と特有生物の生息地と避難所である。
中国南部地方のカルスト地形における豊富で独特なカルスト景観では尋常ではない自然美を示している。その多くの地域は数百年来ずっと中国伝統的な景勝地である。そのうち、桂林山水と雲南石林などはあまねく名を知られている世界的な自然奇観である。