岩溶又の名（karst）はヨーロッパスロベニア共和国（旧ユーゴスラビア北西部）のカルスト高原に由来する。カルス高原は石灰岩が分布する地域で、露出した岩石が奇怪千万である。19世紀末に、カルストに関する最初の理論概念はこの地域で提出されたから、この地名は地理学の専門的科学用語になり、世界各国で広く使われるようになった。わが国では、岩溶はカルストに等しい。

その名前の示す通り、岩溶は岩を溶食することである。地表水や地下水が可溶性岩石に対する全ての破壊と改造作用を溶食作用と言う。このような作用によって生じる地上と地下の各種の形態をカルスト地形と言う。

カルスト地形には地表カルスト地形と地下カルスト地形の二種類がある。地表水が石灰岩を溶食することで形成された多くの溝の中に突出した部分は石芽と呼ばれる。熱帯多雨の厚層純石灰岩地区では、石芽が非常に高く発達したものは石林と呼ばれる。石灰岩が強く溶食されてできた峰の結合体を峰叢と峰林と言う。